Q:旅館業では「継続27時間以上で休日」とみなす特例があるようですが、この場合、休日労働の対象となる(割増賃金の支払いが必要となる)時間も27時間となるのでしょうか?

A:正午から24時間が対象となります

労基法では、1週1日(または4週4休)の休日付与を義務付けています(労基法35条)。
原則として、午前零時から午後零時までの暦日単位で「労働から離れることが保証されている時間」を確保する必要があります。
単に連続24時間の空き時間があれば足りるという意味ではありません。

しかし、①8時間3交代勤務、②旅館・ホテル業、③自動車運転者は例外扱いとされています。

旅館業では、「労働者の勤務が、客の入館時刻(チェック・イン)から退館時刻(チェック・アウト)までの2暦日にまたがって編成されている」という特殊性を考慮して、フロント係、調理係、仲番、客室係を対象とする特例ルールが設けられています。

基本的には、「正午から翌日の正午までの24時間を含む継続30時間(当分の間は27時間)」を確保すれば、休日を与えたとみなされます。
ただし、「年間の法定休日のうち2分の1は暦日で与える」「前月末まで(変更は前日まで)に通知する」「法定休日数を含め60日以上の休日を確保する」よう指導がなされています。

その際の割増賃金ですが、「正午から翌日の正午までの継続24時間の休息時間中に労働した部分が3割5分以上の支払を要する休日労働時間となる」とされています。
それ以外の時間帯が時間外に該当すれば、2割5分増しの割増賃金を支払います。

なお、勤務割りを定める時点で「27時間」が確保されていなければ、2暦日制の対象にはなりません。この場合、「原則通り、暦日をもって休日を判断」します。
しかし、時間外勤務が「当初、休日と定めた時間帯」に食い込んでも、休日割増等を支払えばそれで足ります。