協定届などの押印廃止は令和3年4月施行
厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会は11月11日、時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)などの届出等の押印原則の規制を見直す「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」について、おおむね妥当と認め、労政審の答申とした。令和3年4月の施行を予定する。
対象となる届出等は、労働基準法施行規則で押印を求めている省令様式のほか、年少者労働基準規則、事業附属寄宿舎規程、建設業附属寄宿舎規程で規定する省令様式など。法令上、使用者及び労働者の記名押印または署名を求めないこととし、氏名の記載のみとする。あわせて押印を求めている法令様式等については押印欄を削除する。また、こうした書面の押印原則見直しの趣旨を踏まえ、電子申請における電子署名の添付も不要とする。
他方で、36協定届や変形労働時間制に関する協定届など、労働者の過半数代表者等の記載のある法令様式については、押印等を廃止する一方で、適格な協定当事者であることを確認する手段として「チェックボックス」を設ける。チェックボックスにチェックがない場合は、形式上の要件を備えていないものとして取り扱う。
なお、36協定届に関しては、行政官庁に提出する協定届を労使間で締結する労使協定書としても活用している事業所が多いことから、同省は、押印廃止に関して混同しないよう特に留意を求める。今回の押印廃止は、あくまで行政に届け出る協定届に対してであって、労使協定を締結する際の労使の署名・押印に及ぶものではない。したがって、36協定届が使用者と過半数代表者との間で締結した36協定書を兼ねる場合は、引き続き労使間の慣習に即して、記名押印または署名をしていたこれまでの取り扱いを変える必要はない。
厚生労働省ホームページ▶労働基準法施行規則等の一部を改正する省令案要綱の答申